『ルノワール』
鑑賞日時:6/21(土)21:50〜
鑑賞映画館:新宿ピカデリー
【少々ネタバレ】
まことに"映画的"な映画作品。久しぶりに出会ったような嬉しさ。そこには物語りを優先としない映像の断片を連続させた、印象に残る表現が随所に散りばめられている。
もちろん"わかる"とか"理解する"とかの言語化を求めることは陳腐で、表現者からの非言語化(イメージ)されたメッセージを感覚で受け取る快楽を満喫できる。
11歳の小学生で好奇心旺盛なフキ(鈴木唯)は日常生活で体感している自らの生命活動の中で「どうしたら生きたまま死を体験できるのか?」という、いかにも言語化に乏しく、想像で生きている子供が思いつきそうな欲望を強く持っている。
その死を体験したいという願いを今にも叶えてくれそうなのが、テレパシーごっこでうまく同期が成功していた余命いくばくもない父親・圭司(リリー・フランキー)だったということだと思う。
豪雨の橋の上でうずくまるフキを抱え上げておんぶしたまま帰り、フキの濡れた髪をバスタオルで拭いてあげる圭司。しかし圭司は既に逝っているはず。そこにはフキの生きたままの死の体験があるのだ。
私にはとても心に刺さった。
好きな作品になった。
