『近畿地方のある場所について』
鑑賞日時:8/8(金)8:00〜
鑑賞映画館:新宿ピカデリー
【ネタバレ御免】
あるオカルト雑誌の編集者が行方不明になってしまった。同僚の編集者・小沢悠生(赤楚衛二)と女性記者・瀬野千紘(菅野美穂)は失踪した編集者が残した膨大な映像資料を調べていくうちに近畿地方のある場所に繋がっていくことを知り、やがて驚愕する事実と向き合ってしまうことになる。
先に原作単行本を読んでしまっていたために改変されたラストに向かう一直線的展開への違和感が発生。白石晃士ワールドの許容程度を問われる。原作単行本の一種独特な"何か得たいのしれない不可視なもの"を各エピソードのリアリティを伴った具体例の表現から炙り出していこうとする地平を、白石晃士監督はCGを駆使して形あるものを鮮明に登場させて、こともあろうかバトル色を打ち出すような演出に向かってしまった。あまりにも確信犯的である。
しかしそうは言ってもだ。前半〜中盤までの原作にわりと忠実な映像資料の数々の謎解きシーンのミステリアスな装飾の緻密さと臨場感たっぷりのサスペンス色は『ノロイ』『カルト』『サユリ』『オカルト』を創り上げた白石監督でなければ表現できないことは一目瞭然。やっぱり『近畿地方のある場所について』は白石晃士監督が取らねばならない作品なのだ。
そして『富江』(1999年)の瑞々しい若さを湛えた美貌と不気味さの衝撃が懐かしい菅野美穂。なるほど鑑賞するまでのなぜ菅野美穂?と持ち続けていた疑念が、後半繰り出しまくるホラー演技の憑依が全開で、とくに祠破壊の身振りが凄まじくて、きれいサッパリ解消された。いったい近畿地方のある場所とはどこだったの?なんてのはもうどうでも良くなってしまう。ただただ菅野美穂から目が離せなくなるのである。
