鑑賞日時:8/23(土)18:55
映画館: TOHOシネマズ日本橋
【ネタバレ御免】
父「お姉さんに似てきたな」
イヴ「…あまり覚えてない」
バレリーナ人形が回るオルゴールのオモチャを両手で抱えつつ顔半分が血に染まった少女・イヴ(ビクトリア・コンテ)の回想で物語は始まる。父を殺され孤児となったイヴはウィンストン(イアン・マクシェーン)に拾われて、表向きはバレエ団を装いながら、孤児を暗殺者として育てあげるという裏社会屈指の殺し屋養成機関であるルスカ・ロマに入団する。
大人になって一流の殺し屋となったイヴ(アナ・デ・アルマス)は商いとしての暗殺行動の途中で父を殺した暗殺集団の存在を知る。ここの場面は面白い。暗殺の実績を築くために対象を殺した証明として死体の画像を撮って依頼元に送っていたのに、ある死体の腕に刻まれた印が父を襲った暗殺者の腕に刻まれた印と同じだと認識した瞬間、画像を撮らずに生身の腕だけを切り取り、それを持ち帰ってルスカ・ロマのディレクター(アンジェリカ・ヒューストン)の前に差し出して確証を得ようとする。ここに父を殺した組織への復讐心が芽生えると同時に殺し屋に相応しい残忍で無機質な精神性までが確立されたイヴの人物造形が示される。このシークエンスが後のアクション凄まじい復讐劇の起点となりイヴは標的を目指して暗殺教団の拠点となる雪深い村落地帯に乗り込む。
あらすじめいたことはここまでにして、私がこの作品を鑑賞して興味があるのはイヴの出自である。出自の広がりに何か中途半端さを感じた。しかしこの中途半端さは評価を落とすものではなく、何かあえてサスペンスの可能性を残している…そんな感覚。この鑑賞後感は何なのか?ちょっと整理したい。冒頭の少女イヴの回想で父と二人暮らしであること、母はすでに殺され、イヴには姉がいたことが示されている。父はルスカ・ロマ、母は暗殺教団の人間。後半でバレリーナが回るオルゴールが暗殺教団の村の店で売っていた事実は、乗り込んだ暗殺教団の村で自分は生まれたのではないかと直感することになる。復讐のために辿り着いた場所が生まれ故郷だったのである。そこで記憶に薄い姉との再会。姉レナは教団幹部として優れた技能の持ち主。イヴよりも強者と想像していたが、二人再会したロッジが爆破されてしまいレナはあっけなく死んでしまう。レナは息絶える寸前、妹イヴに自分が姉であることを証明するような言葉を発している。そして最後、暗殺教団の主宰(ガブリエル・バーン)はイヴにこれまた躊躇なくあっけなく撃たれた。父はおろか姉までも目の前で殺されたが、かといって復讐心の増幅も感じられなかった。ラストは唐突にイヴ暗殺に懸賞金がかけられている。さらにダニエル・パイン(ノーマン・リーダス)が生き残ったこと。その存在。何か大きな謎を残しているような思い。あえて言いきると続編が非常に楽しみとなる…としか今のところ言いようがない。
